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Episode5【職場内でウイルス感染を拡げない! 全社で冬を乗り切る自衛隊式感染対策】

2026.11.02

Episode5【職場内でウイルス感染を拡げない! 全社で冬を乗り切る自衛隊式感染対策】

冬は企業にとって「感染症との戦い」の季節です。
インフルエンザ、新型コロナウイルス感染症、感染性胃腸炎など、さまざまな感染症が流行しやすくなります。
感染症対策というと、健康管理部門や産業保健スタッフの仕事と思われがちですが、本当の意味で職場を守るためには全社員の協力が欠かせません。

私は元陸上自衛隊の看護官として、多くの隊員の健康管理に携わってきました。
自衛隊では、一人の体調不良が部隊全体の任務遂行に影響を与えることがあります。
そのため、感染症対策は「個人の問題」ではなく「組織防衛」の一環として位置付けられていました。

企業においても同じです。
一人の感染が部署全体へ広がり、生産性低下や業務停止につながるケースは珍しくありません。
今回は、職場でウイルス感染を拡げないために、人事・労務担当者が意識したいポイントをご紹介します。

感染症対策は「個人任せ」では成功しない

感染症対策について社員へ呼びかけても、「体調が悪いなら休んでください」 「手洗いを徹底しましょう」だけでは十分ではありません。
なぜなら、感染症の拡大には職場文化が大きく影響するからです。

例えば、

「少し熱があっても出勤するのが当たり前」
「忙しい時期に休むのは申し訳ない」
「周囲に迷惑をかけたくない」

このような空気がある職場では、社員は無理をして出勤しがちです。

しかし感染症対策の観点では、この行動が最も危険です。
自衛隊では「戦力の温存」が重要です。
一人が無理をして任務に参加し、結果として部隊全体に感染を広げてしまえば、組織としての損失はさらに大きくなります。

企業も同じです。

重要なのは、「体調不良時に休むことは組織への貢献である」という考え方を浸透させることです。
人事担当者や管理職が率先してそのメッセージを発信することで、社員は安心して休養を取れるようになります。

見落としがちな職場内の感染ポイント

感染対策というと手洗いやマスクに目が向きますが、職場には意外な感染リスクが潜んでいます。

例えば、
•会議室のドアノブ
•給湯室の冷蔵庫や電子レンジ
•共用パソコン
•複合機の操作パネル
•エレベーターのボタン
•休憩室のテーブル

これらは多くの社員が繰り返し触れる場所です。

職場巡視を行う際には、「どこに人の手が集中しているか」という視点で確認してみてください。

自衛隊でも感染症流行期には共用設備の消毒を強化していました。
特別なことではありません。

「みんなが触る場所をきれいに保つ」
たったこれだけでも感染拡大リスクは低減できます。

また、加湿や換気も重要です。
寒い時期は窓を閉め切りがちですが、空気の滞留は感染リスクを高めます。
定期的な換気のルール化や、換気状況の見える化も有効な取り組みです。

「平時の準備」が組織を守る

感染症対策で最も重要なのは、流行してから慌てないことです。
自衛隊には「備えに勝る防御なし」という考え方があります。
有事が起きてから準備を始めるのでは遅いのです。

企業でも、
•出勤停止の基準
•在宅勤務の運用方法
•緊急連絡体制
•管理職向け対応マニュアル
•社員向け相談窓口

などをあらかじめ整備しておくことが重要です。

さらに、産業保健スタッフや外部相談窓口との連携体制も確認しておきたいところです。
社員が安心して相談できる環境は、感染症対応だけでなく、長期的な健康経営の基盤となります。

おわりに

感染症対策は単なる衛生管理ではありません。
社員の健康を守り、事業継続を支え、そして安心して働ける組織づくりにつながる重要な取り組みです。
冬の感染症シーズンは毎年やってきます。
だからこそ、特別な対策よりも「当たり前のことを全員で続ける」ことが大切です。

感染症との戦いは個人戦ではなく組織戦です。
一人ひとりが正しい行動を取り、管理職がそれを支え、人事・労務部門が環境を整える。
その積み重ねが職場を守る力になります。

今年の冬も、全社員が健康に、そして安心して働ける職場を目指して、今から準備を進めていきましょう。

「明日も元気に働くために、今日、心にも栄養を。健康とは企業戦略の根幹なり。」

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看護師みほのプロフィール
看護師
担当連載「健康とは、企業戦力の根幹なり」
 
元・陸上自衛隊看護官。過酷環境下での医療支援や災害派遣を経て、プロスポーツチームや臨時医療施設での統括看護も経験。 現在は企業の健康管理室に所属し、体調やメンタルの“潜伏リスク”に目を光らせながら、社員のコンディションを全方位から支えている。   どんな話にも動じず、冷静に状況を見極めてくれる相談員で、必要なときには的確な一手を差し出す、頼れる存在。 信条は「健康とは、企業戦力の根幹なり」。

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