Episode3【第一印象は、最初の姿勢で決まる
―初頭効果と、私が大切にしている心得―】
2026.04.30
看護官時代に身についた「最初の態度」
私は以前、自衛隊で看護官として勤務していました。
当時、常に意識していたのは「最初の態度」です。
姿勢、表情、声の出し方。敬礼ひとつで相手の受け取る印象が変わる。
その経験は、産業保健の現場に立つ今も、私の軸になっています。
第一印象は一瞬、影響は長く続く
心理学でいう「初頭効果」とは、最初に受けた印象が、その後の評価や関係性に長く影響し続けることです。
人は出会って数秒で、外見だけでなく「この人はこんな性格だろう」と内面まで判断してしまいます。
初めて訪問する職場、初対面の方との挨拶。
同じ言葉を使っていても、最初の立ち居振る舞い次第で、その後の空気が大きく変わる――
これは現場に立つ者として、何度も実感してきたことです。
第一印象は「仕事の一部」
特別なことはしていません。
清潔な服装、伸びた背筋、はっきりした挨拶。
自衛隊時代に身につけた基本動作を、今も大切にしています。
外見は“内面を正しく伝える準備”
外見を整えるというと、中身より見た目を重視しているように聞こえるかもしれません。
しかし、私にとって外見とは、自分の内面を正しく伝えるための準備です。
整った身だしなみや落ち着いた態度は、「この人は信頼できそうだ」「話しても大丈夫そうだ」という安心感につながります。
自分が先に整うという責任
特に、体調や気持ちに不安を抱えている方と向き合うとき、最初の数秒はとても重要です。
こちらが整っているかどうかで、相手の緊張の度合いは大きく変わります。
だからこそ、自分が先に整う。それは専門職としての責任だと考えています。
今日も姿勢を正して現場へ
忙しい日も、余裕のない朝もあります。
それでも玄関を出る前に背筋を正し、一呼吸置く。
「今日の私は、信頼される態勢にあるか」
この問いかけを、私は今も習慣にしています。
初頭効果は、一瞬で生まれ、長く続きます。
だからこそ、誠実に、前向きに、基本を大切に。
その積み重ねが、良い関係性につながると信じて、これからも現場に立ち続けたいと思っています。
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以上
看護師みほのプロフィール
担当連載「健康とは、企業戦力の根幹なり」
元・陸上自衛隊看護官。過酷環境下での医療支援や災害派遣を経て、プロスポーツチームや臨時医療施設での統括看護も経験。 現在は企業の健康管理室に所属し、体調やメンタルの“潜伏リスク”に目を光らせながら、社員のコンディションを全方位から支えている。 どんな話にも動じず、冷静に状況を見極めてくれる相談員で、必要なときには的確な一手を差し出す、頼れる存在。 信条は「健康とは、企業戦力の根幹なり」。
