第3回「身体の声を聞くということ」
2026.07.21
こんにちは!助産師のみなみです。
今回は、自分の身体とどううまく付き合っていけばいいか―――ということを考えてみようと思います。
便利なツールは多いが、記録をつけるだけでは改善しないことも
歩数や睡眠時間、月経周期などを記録するアプリや、体調管理アプリなどを使ってみたことがある方は多いのではないでしょうか。
私自身も、アプリで体調のログをつけてみたことがあります。あとから体調を振り返ることができたり、身体の変化を予測したりできるので、「便利だな」と感じました。
でも、記録をつけたからといって、体調が良くなるわけでも、心身の変化がなくなるわけでもありません。
参考にはなっても、「身体の声を聞く」、「身体と付き合う」とは、少し違う感じがしています。
「身体の声」とは?
「身体の声」というと少し大げさに聞こえるかもしれませんが、そんなに特別なものではありません。
いつもより疲れやすい。
眠りが浅い。
なんだか集中できない。
ささいなことにイライラする。
まずは、こうした違和感を身体の声だと捉えてみましょう。
これは、身体が発する「異常」のサインを探そうとすることではなく、「いつもの自分とはちょっと違うかも」という違和感を拾うことです。
身体の声を受け流し続けてしまうと・・・
昔から、月経や、妊娠や出産や産後というのは、女性にとって自然の営みでした。
昔は、アプリも、今ほど身近な医療もない中で、自分の身体の変化を感じ取りながら、その日その日の過ごし方を選んできたのだと思います。
身体の声をよく聞いて過ごすことで、医学的な知識としてではなく、女性としての知恵をつけてきました。
今は昔に比べて医療は身近になっていますが、ご自身の身体の声に耳を傾けられているでしょうか?
たとえば、「今日は少し動くのがつらいな」と感じても、「頑張れば身体が動くから」「忙しいしリスケする方が大変」と、あらかじめ決まっていた仕事やプライベートの予定を優先する方も多いでしょう。
それ自体が悪いわけではありません。
けれど、忙しい日々の中で、身体の声を受け流すことが増えていくと、次第にその声にも気づきにくくなってしまいます。
身体をコントロールするのでなく、付き合う
これまで、働く女性の健康や生活について、さまざまな相談を受けてきました。
そのなかで感じるのは、女性の身体は、コントロールするものというより、理解しながら付き合っていくものだ、ということです。
今日はタスクを詰めすぎず余裕をもつ。
今日は早めに寝る。
今日は誰かに頼る。
そういう風に、小さな選択の積み重ねで、身体と付き合っていけるといいですね。
もちろん、不調が続いたり、生活に支障が出るようなときは、医療という選択肢を考えてみてほしいです。
身体の声を聞くというのは、日々のちょっとした変化に気づいていくことです。
そして、それに応えていくという積み重ねが、これからも自分の身体と長く付き合っていく、自分なりの知恵になっていきます。
助産師みなみのプロフィール
担当連載「変化を生きる女性たちへ」
働く人の健康を支援する「もこすく相談所」相談員。女性の一生にわたって伴走する助産分野が専門。主に女性の健康と性別問わずメンタルヘルス相談を担当。
総合病院の産婦人科で勤務ののち、現職では10年以上相談支援に従事。大手ヘルスケアメーカーの子育て相談/女性健康相談では 月200件以上の相談支援をした経験から、女性向けのセミナーやコンテンツ・商材の医療監修なども手がける。働く人に伴走し「本人が主体となれる健康支援」を心がけている。プライベートでは二児の母。
