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女性活躍推進法とは?企業が取り組むべきポイントを解説

2026.10.01

女性活躍推進法とは?企業が取り組むべきポイントを解説

「女性活躍推進法への対応として、自社では何をすればよいのか分からない」「行動計画は作成したものの、十分に活用できていない」と悩んでいませんか。

女性活躍推進法では、一定規模以上の企業に対し、女性の活躍状況の把握や一般事業主行動計画の策定、情報公表などを義務付けています。2026年4月には情報公表の対象が拡大され、従業員101人以上の企業では、男女間賃金差異と女性管理職比率の公表が必要になりました。

この記事では、女性活躍推進法の概要や対象企業に求められる対応、実効性のある取り組みを進めるためのポイントについて解説します。

女性活躍推進法とは

女性活躍推進法は、働くことを希望する女性が、職業生活において個性と能力を十分に発揮できる社会の実現を目指して、2016年4月に全面施行された法律です。正式名称を「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」といいます。

同法では、国や地方公共団体だけでなく、企業にも女性活躍を進めるための取り組みを求めています。

女性活躍というと、女性管理職を増やすことだけに注目しがちです。しかし、法律が目指しているのは、採用、配置、育成、昇進などの機会を公平に確保するとともに、仕事と家庭生活を両立できる環境を整えることです。

そのため、単に女性の人数や管理職比率を増やせばよいわけではありません。女性が働き続け、希望するキャリアを築ける環境になっているかを確認し、自社の課題に合った取り組みを進める必要があります。

また、2026年4月施行の改正では、法律の基本原則に、女性の健康上の特性に配慮しながら職業生活の充実を図るという趣旨が加えられました。企業には、妊娠・出産だけでなく、月経、更年期などによる健康課題も踏まえた職場環境づくりが求められます。

女性活躍推進法の対象となる企業

女性活躍推進法では、常時雇用する労働者が101人以上の企業に、一般事業主行動計画の策定や届出などが義務付けられています。

「常時雇用する労働者」には、正社員だけでなく、契約期間の定めがなく雇用されている労働者や、過去1年以上にわたって引き続き雇用されている、または今後1年以上雇用される見込みのある契約社員やパートタイマーなども含まれます。

企業規模による違いは、次のとおりです。

・常時雇用する労働者が101人以上:一般事業主行動計画の策定・届出、社内周知、公表、女性活躍に関する情報公表が義務
・常時雇用する労働者が100人以下:上記の対応は努力義務

100人以下の企業には法的な義務はありませんが、人材採用や定着、職場環境の改善につなげるため、可能な範囲で取り組むことが望まれます。

なお、従業員数は企業全体で判断します。事業所や店舗ごとの人数ではないため、複数の拠点がある企業は、すべての拠点の常時雇用する労働者を合計して確認しましょう。

企業に義務付けられている4つの対応

常時雇用する労働者が101人以上の企業は、女性活躍推進法に基づいて、次の4つの対応を行う必要があります。

1.女性の活躍状況を把握し、課題を分析する

まずは、自社における女性の活躍状況を把握します。

必ず把握しなければならない基礎項目は、次の4項目です。

・採用した労働者に占める女性労働者の割合
・男女の平均継続勤務年数の差異
・労働者の各月ごとの平均残業時間数などの労働時間の状況
・管理職に占める女性労働者の割合

必要に応じて、男女別の配置状況、役職別の割合、育児休業の取得状況、雇用形態の転換実績なども確認します。

例えば、女性の採用割合が高くても、勤続年数が短い場合は、入社後の配置や働き方に課題があるかもしれません。管理職候補となる層に女性が少ない場合は、育成や評価、昇進機会の提供状況を見直す必要があります。

数字を集計するだけではなく、「どの段階で男女差が生じているのか」「その背景にどのような制度や職場慣行があるのか」まで分析することが重要です。

2.一般事業主行動計画を策定する

課題分析の結果を踏まえ、一般事業主行動計画を策定します。行動計画には、次の内容を盛り込まなければなりません。

・計画期間
・1つ以上の数値目標
・取り組み内容
・取り組みの実施時期

数値目標は、自社の課題に対応した内容にします。

例えば、女性管理職が少ない企業では、「管理職に占める女性労働者の割合を〇%以上にする」といった目標が考えられます。一方、女性の離職が多い企業であれば、管理職比率よりも、平均勤続年数の男女差や継続就業率に関する目標を設定したほうが、自社の課題に合っている場合があります。

他社の目標をそのまま採用するのではなく、自社の現状と課題に結び付いた目標を設定しましょう。

3.行動計画を周知・公表し、労働局へ届け出る

策定した行動計画は、従業員に周知するとともに、社外へ公表します。

社内周知の方法には、社内イントラネットへの掲載、メールでの案内、事業所内の見やすい場所への掲示、書面での配布などがあります。

社外への公表には、自社のホームページや、厚生労働省が運営する「女性の活躍推進企業データベース」などを利用できます。

さらに、行動計画を策定した旨を、企業の主たる事業所を管轄する都道府県労働局へ届け出なければなりません。行動計画を変更した場合も、変更内容に応じて届出が必要です。

計画を社内で保管するだけでは、法律上の対応を終えたことにはならないため注意しましょう。

4.女性の活躍に関する情報を公表する

企業には、行動計画とは別に、女性の活躍に関する情報を公表する義務があります。

2026年4月から、常時雇用する労働者が101人以上の企業では、次の2項目が必須の公表項目となりました。

・男女間賃金差異
・管理職に占める女性労働者の割合

さらに、企業規模に応じて、採用した労働者に占める女性の割合、男女別の育児休業取得率、平均残業時間など、定められた項目から追加で公表します。

301人以上の企業では、男女間賃金差異と女性管理職比率に加え、「女性労働者に対する職業生活に関する機会の提供」と「職業生活と家庭生活との両立に資する雇用環境の整備」の区分から、それぞれ1項目以上を公表します。

101~300人の企業では、必須の2項目に加え、2つの区分の中から1項目以上を選んで公表します。

公表する情報は、おおむね年1回以上更新し、いつの時点の情報であるかが分かるようにする必要があります。自社のホームページや女性の活躍推進企業データベースなど、求職者が容易に確認できる方法で公表しましょう。

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女性活躍を進めるために企業が取り組むべきポイント

法律上必要な書類や情報を整えるだけでは、女性活躍が進むとは限りません。行動計画を実際の職場改善につなげるため、次の点を意識しましょう。

採用から管理職登用までの流れを確認する

女性管理職が少ない原因を「女性本人が管理職を希望していないため」と判断するだけでは、具体的な改善につながりません。採用、配属、業務経験、研修、評価、昇進という段階ごとに、男女で機会の差が生じていないかを確認する必要があります。

例えば、管理職になるために必要な業務経験が一部の従業員に偏っている、育児中の従業員が重要な業務から外れやすい、管理職候補者の選定基準が明文化されていないといった状況がないかを確認しましょう。

長時間労働を前提とした働き方を見直す

女性の活躍を進めるために、女性だけを対象とした制度を設けても、長時間労働を前提とする職場では十分に活用されない可能性があります。

残業時間の削減、業務分担の見直し、柔軟な勤務制度の導入、休暇を取得しやすい体制づくりなど、性別を問わず働き続けられる環境を整えることが大切です。

育児や介護などの事情がある従業員だけに負担が偏らないよう、業務の属人化を防ぎ、チームで仕事を引き継げる仕組みも整えましょう。

管理職や従業員の意見を把握する

数値データだけでは、職場で起きている問題を十分に把握できないことがあります。従業員アンケートや面談、相談窓口に寄せられた内容などを活用し、キャリア形成や両立支援に関する不安を確認しましょう。

また、制度が利用されていない場合は、ニーズがないとは限りません。「利用すると評価に影響すると思われている」「上司に相談しにくい」「周囲に負担をかけることが心配」といった理由で、利用をためらっている可能性もあります。

管理職に対する研修を行い、制度の利用を妨げない対応や、公平な業務配分・評価について理解を促すことも重要です。

女性の健康課題に配慮した環境を整える

女性の健康課題は、働き方やキャリア形成に影響することがあります。月経、更年期、妊娠・出産などに伴う体調の変化について、本人が必要なときに相談でき、休暇や勤務上の配慮を申し出やすい環境を整えましょう。

ただし、健康状態に関する情報は個人情報であり、本人の意思に反して周囲へ共有してはいけません。相談窓口の担当者や情報の取扱方法を決め、プライバシーを守ることが必要です。

女性だけを一律に配慮の対象とするのではなく、本人の希望や業務上の必要性を確認しながら、個別に対応することも大切です。

定期的に効果を確認する

行動計画の策定後は、数値目標の達成状況や取り組みの実施状況を定期的に確認します。

目標を達成できていない場合は、取り組みの周知不足なのか、制度の利用条件に問題があるのか、そもそも取り組みが課題に合っていないのかを分析しましょう。

一度策定した計画をそのまま継続するのではなく、効果測定と課題分析を繰り返し、次の行動計画へつなげることが重要です。

女性活躍推進への取り組み状況をチェックしよう

自社の対応状況について、次の項目を確認してみましょう。

□ 常時雇用する労働者数を正しく把握している
□ 女性の採用割合や勤続年数、労働時間、管理職比率、男女の賃金の差異を確認している
□ データを男女別・雇用形態別・役職別などに分けて分析している
□ 自社の課題に対応した数値目標を設定している
□ 一般事業主行動計画を社内へ周知している
□ 行動計画を自社サイトなどで公表している
□ 都道府県労働局へ行動計画策定届を提出している
□ 男女間賃金差異と女性管理職比率を公表している
□ 公表情報をおおむね年1回以上更新している
□ 管理職の選定基準や評価制度に偏りがないか確認している
□ 育児や介護と仕事を両立できる環境を整えている
□ 女性の健康課題について相談できる窓口がある
□ 従業員のプライバシーを守る情報管理ルールを定めている
□ 行動計画の進捗と取り組みの効果を定期的に確認している

対応できていない項目がある場合は、まず自社の女性活躍に関するデータを整理し、どこに課題があるのかを確認することから始めましょう。

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女性活躍推進では実態に合った職場づくりが重要

女性活躍推進法では、常時雇用する労働者が101人以上の企業に対し、女性の活躍状況の把握・分析、一般事業主行動計画の策定・届出、社内周知、公表などを義務付けています。

2026年4月からは、101人以上の企業で男女間賃金差異と女性管理職比率の公表も必須となりました。対象企業は、従来の行動計画や公表内容が最新の制度に対応しているか、あらためて確認する必要があります。

ただし、女性活躍推進は、数値目標を掲げたり情報を公表したりするだけで実現するものではありません。採用、配置、育成、評価、働き方、健康支援などを幅広く見直し、女性が働き続けながら希望するキャリアを築ける環境を整えることが大切です。

従業員が安心して働ける職場環境を整えるには、相談窓口の設置や運用も欠かせません。社内だけでの対応が難しい場合は、外部の専門窓口を活用する方法もあります。

もこすく相談所では、企業の人事・労務担当者を支える外部相談窓口や産業保健サービスを提供しています。従業員の健康支援や相談体制の整備についてお悩みの場合は、お気軽にご相談ください。

この記事の要点

  • 女性活躍推進法は、女性が希望に応じて能力を発揮できる職場環境の整備を目的とした法律。
  • 常時雇用する労働者が101人以上の企業には、一般事業主行動計画の策定・届出などが義務付けられている。
  • 2026年4月から、101人以上の企業では男女間賃金差異と女性管理職比率の公表が必須となった。
  • 行動計画を策定する前に、採用・配置・昇進・勤続年数などのデータから自社の課題を分析する必要がある。
  • 数値目標を掲げるだけでなく、評価制度や働き方、管理職育成などを見直すことが重要。

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