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ストレスチェックの受検率を上げるには?社内周知・リマインド・管理職対応のポイント

2026.06.30

ストレスチェックの受検率を上げるには?社内周知・リマインド・管理職対応のポイント

ストレスチェックを実施しても、受検率がなかなか上がらず困っていませんか。 受検率を上げるには、従業員が受検をためらう理由に合わせて適切な対策をとることが大切です。 この記事では、受検率が上がらない主な理由を整理したうえで、受検率向上の具体策や社内周知、リマインド、管理職への協力依頼のポイントを解説します。

ストレスチェックの受検率が上がらない3つの理由

ストレスチェックの受検率を向上させるには、まず従業員が受検しない理由を理解することが重要です。「受検しない=ストレスチェックを拒否している」と思われがちですが、実際には、次のような理由から受検をためらっている従業員もいます。

1.個人結果を会社や上司に見られると思っている

ストレスチェックの受検率が伸びない理由としてよくあるのが、「結果を会社や上司に見られるのではないか」という不安です。特に、メンタルヘルスに関する内容は人事評価や異動、人間関係に影響するのではないかと心配する従業員も少なくありません。

しかし、ストレスチェックの個人結果は本人に直接通知されるものであり、本人の同意なく事業者へ提供されることはありません。この仕組みが十分に周知されていないと、「回答すると不利益になるかもしれない」という誤解につながります。

受検率を上げるためには、制度の目的だけでなく、個人結果の取扱いについても分かりやすく説明することが重要です。

2.忙しくて後回しになっている

従業員がストレスチェックを受けない理由は、制度への不信感だけではありません。単純に「忙しくて後回しになっている」ケースも多く見られます。

特に、現場勤務者やシフト勤務者、繁忙期の部署では、案内を見てもすぐに回答する時間が取れず、そのまま期限が過ぎてしまうことがあります。また、回答にどの程度時間がかかるのか分からないと、まとまった時間が必要だと思い込み、さらに後回しになりがちです。

受検率を向上させるためには、所要時間を明示し、原則として勤務時間内に回答できることを伝えるなど、受検しやすい環境を整えることが大切です。

3.案内や周知内容が従業員に十分に伝わっていない

未受検者の中には、単に案内や周知を見落としている人もいます。例えば、次のようなケースです。

  • 社内メールを見落としている
  • 掲示物に気付いていない
  • 朝礼での説明を聞いていない
  • 回答期限を忘れている
  • 回答方法が分からない

特に現場勤務者が多い職場では、メールだけで周知しても十分に伝わらないことがあります。そのため、メールでの案内に加えて、現場の目につく場所に掲示物を貼る、チームごとに声掛けをしてもらうなど、複数の方法を組み合わせて周知することが重要です。その際、回答期限や回答方法、所要時間などの情報が分かりやすく伝わるように工夫しましょう。

受検率向上のポイント① 個人結果への不安を解消する

「個人結果を会社や上司に見られるのではないか」という不安を解消するためには、制度の案内をする際に、個人情報の取扱いについて丁寧に説明することが重要です。

特に次の内容は必ず周知しましょう。

  • 個人結果は本人へ直接通知されること
  • 本人の同意なく事業者へ提供されないこと
  • 上司や人事担当者が自由に閲覧できるものではないこと
  • ストレスチェックの結果が人事評価に影響を与えないこと

また、次のような対応も有効です。

  • 個人情報の取扱いに関する資料を作成する
  • 説明会や朝礼で説明を行う
  • 問い合わせ窓口を設置する

従業員が安心して受検できる状態を作ることが、受検率向上の第一歩になります。

受検率向上のポイント② 受検しやすい環境を整える

「忙しくて後回しになっている」という課題に対しては、受検しやすい環境を整えることが重要です。

例えば、次のような方法があります。

  • 勤務時間内に回答できるように各部署に働きかける
  • 所要時間を事前に伝える
  • プライバシーに配慮しながら回答できる場所を設ける
  • Web受検の場合は必要に応じて共用端末を設置する
  • Web受検と紙受検の両方を活用する

また、受検率は実施時期にも大きく左右されます。例えば、次のようなタイミングは受検が後回しになりやすい傾向があります。

  • 決算期
  • 月末月初
  • 大型案件の納期前
  • 長期休暇直前

可能であれば、業務負荷が高い時期を避けて実施しましょう。また、健康診断など、健康への意識が高まるタイミングで実施すると、受検率向上につながる場合もあります。ただし、健康診断と同時期に案内する場合は、個人結果の取扱い、提出先、保存先などが健康診断と混同しないように注意が必要です。

受検率向上のポイント③ 初回案内を見直す

受検率向上のためには、従業員が実施内容や回答方法を正しく理解できるようにすることが重要です。

特に「案内を見落としていた」「回答方法が分からなかった」「期限を忘れていた」といった理由による未受検は、周知方法の工夫によって減らせる可能性があります。

特に社内案内では、次の7項目を必ず伝えましょう。

①実施目的

②対象者(正社員、契約社員、パート・アルバイト、派遣社員など)※

③実施期間(開始日、終了日)

④回答方法(Web受検の場合はURL、紙受検の場合は提出方法を明記)

⑤所要時間

⑥個人結果の取扱い

⑦問い合わせ先


※派遣労働者のストレスチェックと面接指導は、派遣元事業者が実施します。
派遣先の担当者は、自社の判断だけで派遣労働者を受検対象者に加えるのではなく、派遣元事業者へ実施状況を確認してください。

また、ストレスチェックの案内は「見てもらえる工夫」も重要です。

例えば、社内メールで案内する場合は、件名を工夫するだけでも開封率が変わることがあります。

【例】
× ストレスチェック実施のお知らせ
〇 【回答期限○月○日】ストレスチェック実施のお知らせ
〇 【所要時間10分】ストレスチェック実施のご案内

また、メール本文では重要な部分を太字や色付き文字にしたり、回答期限を目立たせたりすることも有効です。

さらに、配信するタイミングも意識しましょう。例えば、一般的に月曜日の朝や連休明け直後はメールの量が多く案内が埋もれやすいため、比較的業務が落ち着いている曜日を選んだり、定例の会議で周知した直後にメールを送ったりすると見てもらえる可能性が高まります。

【文例】ストレスチェック初回案内メール

件名:【重要】ストレスチェック実施のお知らせ(回答期限:○月○日)

差出人:人事部 <jinji@example.co.jp>

宛先:従業員各位

日時:20XX年○月○日(○)09:00

従業員各位

心身の健康管理および働きやすい職場づくりのため、ストレスチェックを実施します。

【回答期間】
○月○日~○月○日

【所要時間】
約10分

【回答URL】(Web受検の場合)
○○○○

【提出方法】(紙受検の場合)
配布した封筒に入れ、○○へ提出してください。

【委託先】(外部委託している場合)
○○株式会社

【受検について】
原則として勤務時間内に受検してください。
個人の回答内容や個人結果は、本人へ直接通知されます。本人の同意なく、事業者、上司、人事部門へ提供されることはありません。ただし、受検勧奨のため、事業者が受検の有無を把握する場合があります。
また、医師による面接指導を申し出た場合は、申出を行った事実や、就業上の措置に必要な範囲で医師の意見が事業者へ伝わります。集団分析結果についても、個人が特定されない形で事業者へ提供される場合があります。
ご不明な点は○○までお問い合わせください。

受検率向上のポイント④未受検者へリマインドを行う

初回案内だけで全員が受検するケースは多くありません。受検率向上を目指すのであれば、初回案内だけで終わらせず、少なくとも1〜2回はリマインドを行うことをおすすめします。特に締切直前の案内は効果が出やすいため、あらかじめ周知スケジュールを決めておくとよいでしょう。

例えば、以下のようなスケジュールで案内やリマインドを行ってみましょう。

タイミング 内容
開始1週間前 実施予告
開始日 初回案内
締切1週間前 リマインド
締切2〜3日前 最終案内
必要時 期間延長案内

また、未受検者に対してリマインドする際には、次の点を改めて周知しましょう。

  • 回答期限
  • 回答方法や提出方法(紙受検の場合)
  • 所要時間
  • 個人結果の取扱い
  • 問い合わせ先

特に紙受検の場合は、調査票をどこへ提出するか、封筒が必要か、提出期限はいつか、といった点を改めて案内すると回収率アップにつながります。

なお、リマインドを未受検者のみに行ってよいのか、悩む方もいるかもしれませんが、未受検者のみに受検勧奨を行うことは可能です。

未受検者へ個別にリマインドを行う場合は、未受検者情報を取り扱う担当者をあらかじめ限定してください。取り扱う情報は、受検済みか未受検かという情報に限ります。
受検を終えた従業員の回答内容、個人結果、高ストレス該当の有無を、リマインド担当者や管理職へ共有することのないよう、注意しましょう。また、管理職には、原則として未受検者一覧を渡さず、部署全体への周知や回答時間の確保を依頼します。

【文例】未受検者向けリマインドメール

件名:【リマインド】ストレスチェック回答期限のお知らせ(○月○日)

宛先:未受検者各位

このメールは、現時点で回答が確認できていない方へお送りしています。

回答期限は○月○日です。

所要時間は約10分です。原則として勤務時間内の回答をお願いしております。

個人結果が、本人の同意なく上司や人事部門へ共有されることはありません。

ご自身の健康管理のため、期間内の回答をご検討ください。

【回答URL】(Web受検の場合)
○○○○

【提出方法】(紙受検の場合)
紙の調査票は配布した封筒に入れて回答内容が見えないように封をし、○○へ提出してください。

【問い合わせ先】
○○○○

受検率向上のポイント⑤管理職に協力を依頼する

受検率向上のために、管理職へ協力を依頼することも有効です。一般的に、受検率が高い企業では、管理職は回答時間の確保やスケジュール調整などの環境整備を行っているところもあります。

ただし、管理職に協力を求める際には、「未受検者に催促してください」ではなく、「部署内で回答時間を確保してください」というように、環境調整を依頼することが重要です。

管理職に依頼したい対応

  • 回答時間の確保
  • 実施期間の周知
  • パソコン利用時間の調整
  • シフト調整

管理職に依頼してはいけない対応

  • 未受検者を名指しで指摘させる
  • 朝礼などで未受検者を公表させる
  • 強い調子で繰り返し個別に催促させる
  • 「評価に影響する」と脅す
  • 受けない理由の説明を求める

管理職にも、受検が義務ではないことを伝えた上で、メンタルヘルス対策や職場環境改善のために、できるだけ多くの従業員に受検してもらいたいという趣旨を共有することが重要です。

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受検率向上とあわせて考えたいこと

ここまでストレスチェックの受検率を上げるためのポイントをご紹介してきましたが、受検率向上だけを目的にしないことも大切です。

たしかに、受検率が高くなることで、より多くの従業員が自身のストレス状態を把握できるようになります。また、高ストレス者への面接指導の案内や、職場の状況把握などにも活用しやすくなりますが、一方で、受検率だけを追い求めるあまり、過度な催促や強いプレッシャーを与えてしまうと、制度への不信感につながる可能性があります。

大切なのは、従業員が安心して受検できる環境を整えたうえで、ストレスチェックを健康管理や働きやすい職場づくりに役立てることです。受検率向上は、あくまでもそのための重要な取り組みの一つであることを忘れないようにしましょう。

ストレスチェックの受検率向上でよくある質問

Q 受検率はどのくらいを目指したらよいですか?

ストレスチェックの受検率に、法令上の明確な目標値はありませんが、厚生労働省が2022年3月に公表した資料では、2021年に行われた調査において、受検率が約80%を超える事業場は77.5%でした(厚生労働省「ストレスチェック制度の効果的な実施と活用に向けて」)。80%という数字は法定基準ではありませんが、自社で運用する際に基準を設けたい場合は、まず80%以上をひとつの目安として考えることができます。

なお、制度を有効に機能させるためには、できるだけ多くの従業員に受検してもらうことが望ましいとされていますが、90%以上の高い受検率を維持している事業場では、未受検者側に個別の事情があって受検しない、というケースも増えてきます。こういうケースにおいて、何度も受検を促すと、強制的な印象を与えてしまうこともあります。そのため、ある程度、受検率が高い場合は、数字だけを追うのではなく、適切な運用とのバランスも大切です。

Q ストレスチェックの受検率が低いと問題がありますか?

受検率が低いこと自体に対する罰則はありません。

ただし、受検率が低い状態では、ストレスチェック本来の目的である、労働者自身のセルフケア、高ストレス者への対応が十分に行きわたらない可能性があります。また、受検者が少ないと職場の課題を正確に把握しにくくなり、集団分析や改善施策の精度にも影響します。

受検率が低い場合は、「受けてもらえない」と考えるのではなく、「受けにくい理由がないか」という視点で、周知方法や運用方法を見直してみることが大切です。

Q ストレスチェックを受けない従業員へ業務命令で受検させてもよいですか?

受検勧奨は必要ですが、業務命令のような強制や、不利益な取扱いにつながる対応は絶対にしてはいけません。受けない理由を個人に問いただすのではなく、個人結果の取扱いを説明する、回答時間を確保する、回答方法を見直すなど、受検しやすい環境づくりを優先しましょう。

記事の要点

  • ストレスチェックの受検率が上がらない主な理由として、「個人結果への不安」「後回し」「周知不足」の3つが挙げられる
  • 個人結果の取扱いを丁寧に説明し、安心して受検できる環境を整えることが重要
  • 回答時間の確保や実施時期の見直しなど、受検しやすい環境づくりが受検率向上につながる
  • 初回案内の工夫と計画的なリマインドによって、見落としや回答忘れを減らせる
  • 受検率向上は目的ではなく、従業員の健康管理や働きやすい職場づくりにつなげることが大切

ストレスチェックを
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