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セルフケアとは?従業員自身ができるメンタルヘルス対策と企業の支援

2026.08.26

セルフケアとは?従業員自身ができるメンタルヘルス対策と企業の支援

「最近、仕事に集中できない」「疲れているのに眠れない」と感じていても、どのように対処すればよいか分からない方もいるのではないでしょうか。

セルフケアとは、自分のストレスや心身の変化に気づき、休養や相談などによって対処することです。ただし、セルフケアだけですべての不調を解決できるわけではありません。自分だけで抱え込まず、必要に応じて周囲や専門職へ相談することもセルフケアの一つです。

この記事では、セルフケアの意味やストレスによって現れやすい変化、従業員自身ができる対処法、会社に求められる支援について解説します。

セルフケアとは自分のストレスに気づいて対処すること

セルフケアとは、従業員自身がストレスやこころの健康について正しく理解し、自分のストレスに気づいて、予防や軽減のために対処することです。

厚生労働省の「労働者の心の健康の保持増進のための指針」では、職場のメンタルヘルス対策を次の「4つのケア」に分けています。

● セルフケア:従業員自身がストレスに気づき、対処する
● ラインによるケア:管理職が職場環境の改善や部下への相談対応などを行う
● 事業場内産業保健スタッフ等によるケア:産業医や保健師、人事労務担当者などが支援する
● 事業場外資源によるケア:外部の医療機関や相談機関、専門サービスを活用する

セルフケアは、単に休んだり、気分転換をしたりすることだけではありません。ストレスについて正しく知ること、自分に現れやすい変化を把握すること、必要なときに周囲へ相談することまで含まれます。

また、セルフケアは一般の従業員だけでなく、管理職にも必要です。管理職は部下への対応や職場の管理などで負担を抱えることがあるため、自分自身の心身の状態にも目を向けなければなりません。

ただし、「自分の健康は自分で管理するもの」として、会社が従業員へ責任を押しつけることは適切ではありません。会社には、従業員がセルフケアを行えるよう、研修や情報提供、相談体制の整備などを行う役割があります。

ストレスによって現れやすい3つの変化

仕事の量や人間関係、配置転換、家庭内の問題などによって負担がかかると、こころや体、行動にさまざまな変化が現れることがあります。こうした変化を「ストレス反応」といいます。

ストレス反応の現れ方には個人差があります。まずは、自分にどのような変化が現れやすいのかを知っておきましょう。

1.こころに現れる変化

ストレスが続くと、気分や考え方に次のような変化が現れることがあります。

● 気分が落ち込む
● 不安や緊張を感じる
● イライラしやすくなる
● やる気が出ない
● 物事に興味を持てない
● 集中力や判断力が低下する
● 自分を責めることが増える

一時的に気分が落ち込んだり、イライラしたりすることは誰にでもあります。ただし、普段より強い変化が続く場合や、仕事や日常生活に影響が出ている場合は、ストレスが大きくなっている可能性があります。

「まだ働けるから大丈夫」「ほかの人も頑張っている」と我慢せず、自分の状態を振り返ることが大切です。

2.体に現れる変化

ストレスは、こころだけでなく体にも影響を及ぼします。次のような症状が現れることがあります。

● 寝つきが悪い、途中で目が覚める
● 朝早く目が覚める
● 疲れが取れない
● 食欲がない、または食べすぎる
● 頭痛や肩こりが続く
● 胃痛や下痢、便秘がある
● 動悸や息苦しさを感じる
● 体の痛みやだるさが続く

これらの症状は、ストレス以外の病気でも現れます。症状が続く場合は、自己判断で「ストレスのせい」と決めつけず、医療機関を受診しましょう。

3.行動に現れる変化

本人が気づかないうちに、仕事や生活上の行動が変化することもあります。

● 遅刻や欠勤が増える
● 仕事上のミスが増える
● 人との会話や交流を避ける
● 飲酒量や喫煙量が増える
● 食生活が乱れる
● 身だしなみに気を配れなくなる
● 落ち着きがなくなる
● 衝動的な行動が増える

飲酒や喫煙によって一時的に気分が紛れることはあっても、量が増えると睡眠や体調に影響し、さらにストレスが強くなる可能性があります。

自分では変化に気づきにくいこともあるため、家族や同僚から「最近疲れているように見える」「以前と様子が違う」と言われたときは、一度立ち止まって生活や働き方を振り返りましょう。

従業員自身ができるセルフケアの6つの方法

ストレスを完全になくすことは難しく、同じ対処法がすべての人に合うわけでもありません。大切なのは、自分の状態やストレスの原因に気づき、無理なく続けられる対処法を複数持っておくことです。

ここでは、日常生活や職場で取り入れやすいセルフケアを紹介します。

1.自分のストレスの原因を整理する

まずは、何に負担を感じているのかを振り返ります。仕事の量や期限、人間関係、役割の変化、家庭内の問題など、ストレスの原因は一つとは限りません。

気になっていることを紙やメモに書き出し、「自分で変えられること」と「自分だけでは変えられないこと」に分ける方法があります。自分で変えられることは対処方法を考え、業務量や人間関係など一人では解決できない問題は、上司や人事労務担当者へ相談しましょう。

ストレスチェックを受けた場合は、結果を自分の状態に気づくきっかけとして活用できます。ただし、結果だけで病気の有無を判断するものではありません。

2.睡眠と生活リズムを整える

睡眠は、心身の疲労を回復するために欠かせません。起床時刻を大きく変えない、朝に光を浴びる、日中に適度に体を動かすなど、眠りやすい生活リズムを整えましょう。

就寝前は、スマートフォンやパソコンの使用を控え、照明を暗くするなど、体を休息へ切り替えることも有効です。また、寝酒は眠りを浅くする可能性があるため、眠るための飲酒は避けましょう。

必要な睡眠時間には個人差があります。時間だけでなく、朝起きたときに休めた感覚があるか、日中に強い眠気がないかも確認することが大切です。

3.無理なく体を動かす

適度な運動や身体活動は、気分転換や睡眠リズムの維持に役立ちます。激しい運動をする必要はなく、通勤時に歩く時間を増やす、昼休みに散歩する、仕事の合間にストレッチをするなど、続けやすい方法から始めましょう。

長時間同じ姿勢で仕事をしている場合は、定期的に立ち上がり、肩や首を動かすだけでも気分を切り替えやすくなります。

「毎日必ず運動しなければならない」と決めると、新たな負担になることがあります。体調に合わせて、無理のない範囲で取り組みましょう。

4.自分に合った気分転換を取り入れる

趣味や音楽、読書、入浴、散歩、人との会話など、自分が落ち着ける時間を持つこともセルフケアです。

ストレスへの対処方法として、「3つのR」というものがあります。

● Rest:休息、休養、睡眠
● Recreation:運動、趣味、旅行などの気晴らし
● Relax:ストレッチ、音楽、呼吸法などのリラックス

忙しいときほど、長時間の休暇や特別な趣味を用意することが難しくなります。短い休憩や深呼吸など、仕事の合間にできる方法も持っておくとよいでしょう。

ただし、気分転換だけで仕事上の問題が解決するとは限りません。業務量や職場環境が原因になっている場合は、休養とあわせて職場への相談も必要です。

5.考え方を一度見直す

ストレスが強いときは、「絶対に失敗してはいけない」「自分がすべて対応しなければならない」など、考え方が一方向に偏ることがあります。

自分を責めていることに気づいたら、「同じ状況の同僚には何と声をかけるか」「本当に自分だけの責任なのか」「別の見方はないか」と考えてみましょう。

ただし、つらい状況を無理に前向きに捉える必要はありません。考え方を変えるだけで解決できない問題もあります。負担の原因が職場にある場合は、業務の調整や職場環境の改善につなげることが重要です。

6.一人で抱え込まずに相談する

相談することも大切なセルフケアです。話すことで気持ちや状況を整理でき、自分だけでは思いつかなかった対処方法が見つかることがあります。

相談先には、家族や友人、上司、人事労務担当者、産業医、保健師、社内外の相談窓口、医療機関などがあります。相談内容や相談しやすさに応じて選びましょう。

直属の上司がストレスの原因になっている場合は、無理にその上司へ相談する必要はありません。別の管理職や人事労務担当者、社外相談窓口などを利用します。

気分の落ち込みや不眠などが長く続いている場合、症状が強い場合、仕事や日常生活に大きな影響が出ている場合は、早めに医療機関などへ相談しましょう。

会社が従業員のセルフケアを支える4つの方法

セルフケアは従業員自身が行う取り組みですが、個人の努力だけに任せるものではありません。会社が必要な知識や相談先を提供し、従業員が無理なく対処できる職場環境を整えることが重要です。

1.セルフケア研修を実施する

従業員がセルフケアを行うには、ストレスやメンタルヘルスについて正しく知る必要があります。

研修では、ストレスによって現れやすい変化や対処法、相談先などを伝えます。一度だけ実施するのではなく、新入社員研修や定期研修などに組み込み、継続的に学べる機会を設けましょう。

厚生労働省の「こころの耳」では、セルフケアに関する動画や資料が公開されているため、社内研修にも活用できます。

2.ストレスに気づく機会を設ける

ストレスチェックやセルフチェックなどを活用し、従業員が自分の状態を振り返る機会を設けます。

ただし、実施するだけでは十分ではありません。結果をどのように確認するのか、どこへ相談できるのかもあわせて周知することが必要です。

また、ストレスチェックの個人結果は、本人の同意なく会社が把握することはできません。従業員が安心して受検できるよう、個人情報の取り扱いについても分かりやすく説明しましょう。

3.利用しやすい相談窓口を整える

従業員が不調に気づいても、相談先が分からなければ、一人で抱え込んでしまう可能性があります。

社内の相談窓口だけでなく、産業医や保健師、外部相談窓口など複数の選択肢を用意しましょう。相談方法も、対面だけでなく、電話やオンラインなどから選べると利用しやすくなります。

相談窓口については、利用方法や受付時間、相談内容がどのように扱われるのかを継続的に周知することが大切です。

4.ストレスの原因となる職場環境を改善する

従業員へセルフケアをすすめるだけで、過剰な業務量や長時間労働、人間関係の問題などを放置してはいけません。

従業員からの意見やストレスチェックの集団分析などを活用し、仕事の量や進め方、役割分担、職場内のコミュニケーションなどを見直します。

本人が工夫しても解決できない問題は、管理職や人事労務担当者、産業保健スタッフなどが連携し、組織として改善する必要があります。

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セルフケアは自分の変化に気づくことから始めよう

セルフケアで大切なのは、自分のストレスや心身の変化に気づき、早めに対処することです。休養や気分転換だけでなく、周囲や専門職へ相談することもセルフケアに含まれます。

もこすく相談所では、保健師や看護師、助産師、産業医などによる社外健康相談窓口を提供しています。従業員が心身の悩みを相談できる体制を整えたい企業様は、お気軽にお問い合わせください。

この記事の要点

  • セルフケアとは、自分のストレスに気づき、予防や軽減のために対処することである。
  • ストレス反応は、こころ、体、行動の変化として現れる。
  • 自分に合った休養や運動、気分転換などを複数持っておくことが大切である。
  • 一人で抱え込まず、上司や産業保健スタッフ、外部相談窓口などへ相談することもセルフケアに含まれる。
  • 会社には、従業員がセルフケアに取り組めるよう、研修や相談体制、職場環境を整える役割がある。

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