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相談窓口は社内と社外どちらが良い?メリット・デメリットを比較

2026.09.24

相談窓口は社内と社外どちらが良い?メリット・デメリットを比較

「従業員の相談窓口は、社内に設置すれば十分なのだろうか」「社外へ委託したほうが、安心して利用してもらえるのではないか」と悩んでいませんか。

社内相談窓口にも社外相談窓口にも、それぞれメリットとデメリットがあります。

この記事では、社内相談窓口と社外相談窓口のメリット・デメリット、選ぶ際のポイント、両方を併用する場合の運用方法について解説します。

従業員向け相談窓口とは

従業員向け相談窓口とは、職場で起きた問題や心身の不調などについて、従業員が相談できる窓口です。

相談の対象には、主に次のような内容があります。

・パワーハラスメントやセクシュアルハラスメント
・妊娠、出産、育児休業などに関するハラスメント
・上司や同僚との人間関係
・長時間労働や業務上の負担
・メンタルヘルスの不調
・育児や介護と仕事の両立
・職場環境や業務上のルールに関する問題
・法令違反や不正行為に関する通報

相談窓口は、従業員の話を聞くだけの場所ではありません。相談内容に応じて、事実関係の確認や相談者の安全確保、勤務上の配慮、行為者への対応、専門機関への案内などにつなげる役割があります。

特にハラスメント対策では、すべての企業に対し、相談に応じて適切に対応するための体制整備が義務付けられています。相談窓口の担当者を決め、相談内容や状況に応じて適切に対応できる仕組みを整えなければなりません。

なお、相談窓口は、必ずしも社内に設置する必要があるわけではありません。社内での対応が難しい場合は、社外の専門機関へ委託する方法もあります。

社内相談窓口と社外相談窓口の違い

社内相談窓口と社外相談窓口には、次のような違いがあります。

比較項目 社内相談窓口 社外相談窓口
担当者 人事・労務担当者、産業保健スタッフ、相談担当者など 外部の相談員、カウンセラー、弁護士、社会保険労務士など
社内事情の把握 把握しやすい 企業からの情報提供が必要
相談のしやすさ 社内の人間関係を気にして利用をためらう場合がある 中立的な第三者として相談を受けやすい
初期対応 社内で迅速に動きやすい 契約内容や連携方法によって異なる
専門性 担当者の知識や経験に左右される 専門知識を持つ相談員を確保しやすい
費用 外部委託費用はかからないが、担当者の育成や業務時間が必要 委託費用がかかる
職場改善への連携 人事や管理職と連携しやすい 企業への情報共有に相談者の同意や連携ルールが必要

どちらか一方が、すべての企業に適しているわけではありません。会社の規模や相談内容、担当者の専門性、従業員が相談しやすい環境などを踏まえて選ぶ必要があります。

社内相談窓口のメリット・デメリット

社内相談窓口は、人事・労務担当者や産業医、保健師、相談担当者などが従業員からの相談に対応する仕組みです。

社内相談窓口のメリット

社内相談窓口の大きなメリットは、会社の組織や人間関係、就業規則などを把握した上で対応できることです。

相談を受けた後に事実確認が必要となった場合も、関係部署や管理職と連携しやすく、比較的早く対応を始められます。配置転換や勤務時間の調整、休職・復職支援など、社内でなければ判断できない対応にもつなげやすいでしょう。

また、日頃から従業員と接している担当者であれば、相談者の普段の様子や職場環境を踏まえ、問題の背景を把握できる場合があります。

自社の相談傾向を直接把握できるため、寄せられた相談を研修や職場環境の改善に活かしやすい点もメリットです。

社内相談窓口のデメリット

従業員によっては、「相談内容が上司や同僚に知られるのではないか」「人事評価や異動に影響するのではないか」と不安を感じることがあります。特に、相談の相手が経営者や人事担当者、相談窓口の担当者と近い関係にある場合は、社内窓口を利用しにくくなるでしょう。従業員数が少ない企業では、相談内容から相談者を推測されやすいという問題もあります。

また、担当者がほかの業務と兼任している場合、相談対応に必要な時間を確保できないことがあります。ハラスメントやメンタルヘルス、法令に関する知識が不足していると、不適切な質問や安易な判断によって、相談者をさらに傷つけてしまうおそれもあります。

社内に窓口を設ける場合は、担当者に研修を行い、守秘義務や初期対応、記録方法などを理解してもらうことが必要です。

社外相談窓口のメリット・デメリット

社外相談窓口は、企業から委託を受けた外部機関が、電話やメール、Web面談などで従業員の相談に対応する仕組みです。

社外相談窓口のメリット

社外相談窓口では、社内の人間関係から離れた第三者へ相談できます。そのため、相談内容が社内に知られることを心配している従業員や、上司・人事担当者について相談したい従業員も利用しやすくなります。

カウンセラー、保健師、看護師、弁護士、社会保険労務士など、相談内容に応じた専門職が対応する窓口であれば、専門的な助言を受けることも可能です。

社内で相談員を育成する負担を抑えられるため、専任の担当者を置くことが難しい中小企業にも適しています。夜間や休日に対応しているサービスを選べば、従業員が勤務時間外に相談できる環境も整えられます。

相談内容を個人が特定されない形で集計し、企業へ報告するサービスであれば、プライバシーを守りながら、組織全体の課題を把握することにも役立ちます。

社外相談窓口のデメリット

外部の相談員は、社内の組織体制や業務内容、人間関係を詳しく把握しているわけではありません。そのため、相談内容の理解や社内での対応につなげるまでに時間がかかることがあります。

また、相談者が「話を聞いてほしいだけ」と希望している場合、本人の同意なく企業へ相談内容を共有することはできません。社外窓口への相談件数が増えていても、企業側が職場で起きている問題を把握できない可能性があります。

反対に、どのような場合に企業へ情報が共有されるのかが不明確だと、従業員は安心して相談できません。

外部相談窓口へ委託する場合は、相談の受付だけを行うのか、緊急性の判断や専門機関の紹介まで行うのかなど、対応範囲を確認することが大切です。

なお、社外窓口を設置しても、企業としての責任がなくなるわけではありません。ハラスメントなどの相談を把握した場合、企業は必要に応じて事実関係を確認し、相談者への配慮や行為者への対応、再発防止策などを講じる必要があります。

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相談窓口は社内と社外のどちらを選ぶべき?

相談窓口を選ぶ際は、費用だけでなく、相談しやすさと相談後の対応力を確認する必要があります。

社内窓口が適している企業

次のような企業は、社内相談窓口を中心とした体制を整えやすいでしょう。

・人事・労務部門や産業保健スタッフが配置されている
・相談対応の経験や知識を持つ従業員がいる
・相談担当者と経営層、人事部門が連携できる
・相談者のプライバシーを守れる面談場所や情報管理体制がある
・担当者への継続的な研修を実施できる

ただし、社内に担当者がいるだけでは十分ではありません。相談者と行為者の双方に近い人物や、人事上の決定権を持つ人物だけを窓口にすると、相談しにくくなる可能性があります。

複数の相談担当者を置く、男女それぞれの担当者を配置する、相談者が担当者を選べるようにするなどの工夫も必要です。

社外窓口が適している企業

次のような企業では、社外相談窓口の活用を検討するとよいでしょう。

・専任の人事・労務担当者を置くことが難しい
・相談対応に必要な専門知識を持つ従業員がいない
・従業員数が少なく、相談者を特定されやすい
・経営者や人事担当者に関する相談にも対応したい
・複数の拠点や在宅勤務者がいる
・勤務時間外にも利用できる窓口を設けたい

社外窓口を選ぶ際は、対応できる相談内容や受付時間、相談方法、担当者の資格、企業への報告方法、緊急時の対応などを比較しましょう。

社内窓口と社外窓口の併用も有効

従業員が相談先を選べるよう、社内と社外の両方に窓口を設ける方法もあります。例えば、社外窓口が相談者の気持ちや希望を整理し、本人の同意を得た上で社内窓口へつなぐ仕組みを設ければ、相談しやすさと社内での対応力を両立できます。社内窓口では人事上の措置や職場環境の改善を行い、社外窓口では中立的な立場から相談対応や心理的な支援を行うなど、役割を分けることも可能です。

ただし、窓口を複数設置するだけでは、連携がうまくいくとは限りません。相談を受けた後に「どちらが対応するのか分からない」という状態にならないよう、窓口ごとの役割と連携方法を決めておきましょう。

相談窓口を設置・運用するときのポイント

相談窓口を従業員に安心して利用してもらうには、相談先を用意するだけでなく、具体的な運用ルールを整える必要があります。

相談できる内容と窓口の役割を明確にする

ハラスメント、メンタルヘルス、人間関係、育児・介護との両立など、窓口で受け付ける相談内容を決めます。

「ハラスメントに該当するか分からない段階でも相談できる」「本人だけでなく、周囲で問題を目撃した従業員も相談できる」ことを示しておくと、問題が深刻になる前の相談につながります。

相談後の対応手順を決める

相談を受けた後の対応は、相談内容によって異なります。

事実確認を行う場合は、原則として相談者の意向を確認した上で、誰がどのように調査するのかを決めます。心身の状態が悪化している場合は、産業医や医療機関などにつなぐ必要があります。

自傷他害のおそれや重大な法令違反など、緊急性が高い相談を受けた場合の連絡先や判断基準も定めておきましょう。

情報共有の範囲を定める

相談者の氏名や相談内容は、必要な範囲を超えて共有してはいけません。記録の保管場所や閲覧できる担当者、保存期間などを決め、情報を適切に管理します。

社外窓口を利用する場合は、相談内容が企業へ共有される条件を明確にすることが重要です。個人を特定しない統計情報として報告する場合と、相談者の同意を得て個別の相談内容を共有する場合を分けておくとよいでしょう。

相談したことによる不利益な取扱いを防ぐ

ハラスメントについて相談したことや、事実確認に協力したことを理由として、解雇や降格などの不利益な取扱いをすることは禁止されています。

相談担当者だけでなく、管理職や人事担当者にもルールを周知し、相談者への詮索や嫌がらせなどが起きないようにする必要があります。

従業員へ繰り返し周知する

相談窓口を設置しても、従業員が存在や利用方法を知らなければ活用されません。

社内イントラネットや社内報、研修、ポスター、携帯用カードなどを活用し、窓口の連絡先や受付時間、相談方法を周知しましょう。

「秘密は守られるのか」「匿名で相談できるのか」「相談後に何が行われるのか」といった点も説明すると、従業員の不安を減らせます。

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相談しやすさと対応力を考えて相談窓口を選ぼう

社内相談窓口には、社内事情を踏まえて迅速に対応しやすいというメリットがあります。一方、社外相談窓口は、中立性や専門性を確保しやすく、社内の人間関係を気にせず相談できる点が特徴です。

どちらか一方を設置すればよいとは限りません。企業規模や人員体制、想定される相談内容を踏まえ、従業員が安心して利用でき、相談後の対応まで確実に行える体制を選ぶことが大切です。

社内と社外の両方に窓口を設け、従業員が相談先を選べるようにする方法もあります。その場合は、それぞれの役割や情報共有の条件、緊急時の連携方法を明確にしましょう。

もこすく相談所では、保健師や看護師などの専門職による、企業向けの外部相談窓口サービスを提供しています。社内だけでは対応が難しい従業員の健康相談やメンタルヘルス相談にも対応可能です。

従業員が安心して相談できる窓口を整えたい場合や、現在の相談体制に課題を感じている場合は、お気軽にご相談ください。

参考:

厚生労働省「事業主が講ずべきハラスメント対策」
あかるい職場応援団「相談や解決の場を提供する」
厚生労働省「こころの耳」「企業事例」

この記事の要点

  • 社内相談窓口は、社内事情を把握した上で、事実確認や職場環境の改善へつなげやすい。
  • 社外相談窓口は、相談者が人間関係や人事評価への影響を気にせず相談しやすい。
  • 社外窓口を設置しても、事実確認や被害者への配慮など、企業として必要な対応まで外部へ任せられるとは限らない。
  • 相談しやすさと問題解決のしやすさを両立するには、社内窓口と社外窓口の併用が有効。
  • どの窓口を設置する場合も、相談後の対応手順や情報共有の範囲を決め、従業員へ周知する必要がある。
           

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