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【女性の離職防止対策】フレックスタイム制・リモートワーク制度など、柔軟な働き方のメリットと、効果的に設計・運用する方法を解説

2025.11.28

【女性の離職防止対策】フレックスタイム制・リモートワーク制度など、柔軟な働き方のメリットと、効果的に設計・運用する方法を解説

リモートワークの急速な普及を経て、多くの企業が「出社」と「リモート」の最適なバランスを模索しています。出社回帰の動きも一部で見られますが、優秀な人材――特にワークライフバランスを重視する女性――の確保と定着には、柔軟な働き方の選択肢が欠かせません。ただし、制度を形だけ導入しても、かえって不公平感や生産性の低下を招くおそれがあります。
本記事では、柔軟な働き方の本質的な価値を再確認しながら、「孤立」「不公平感」「生産性低下」など導入時に起こりやすい課題への対策を交え、制度導入から定着までのステップをわかりやすく解説します。

「柔軟な働き方」が優秀な人材確保に不可欠な理由

出社回帰の流れがある中でも、柔軟な働き方を維持・強化することは、企業の競争力を高めるうえで欠かせません。柔軟性は単なる福利厚生ではなく、「公平性」と「生産性」を両立させる戦略的なツールです。

1. 優秀な人材の「譲れない条件」に応える

特に子育てや介護を担う人材(多くは女性)にとって、柔軟な働き方はキャリアを継続するための生命線です。リモートワークやコアタイムのないフレックス制は、通勤負担を減らし、ライフイベントによるキャリア中断を防ぎながら、自分の能力を最大限に発揮できる「公平な機会」を提供します。

2. 企業文化の透明性と信頼性を高める

「時間ではなく成果で評価する」仕組みを整えることで、企業文化は“見えない努力や長時間労働に依存しない”健全なものへと変わります。透明性と信頼性の高い文化は、従業員のエンゲージメントを高め、離職率の低下にもつながります。

3. オフィスを「集まる目的」に応じた場に再定義

出社を義務ではなく「目的に応じて集まる時間」と位置づけることが重要です。
チームビルディングや創造的な会議、オンボーディングなど、出社の意義を明確にすることで、通勤の負担を伴う出社にも納得感と前向きな意識が生まれます。

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柔軟な働き方に潜む主なデメリットとその対策

フレックスタイム制やリモートワークは従業員の自由度を高める一方で、制度設計や運用を誤ると、かえって「働きにくさ」を生むリスクもあります。ここでは、代表的な3つの課題とその対策を詳しく解説します。

1. 孤立と健康リスク

リモートワーク環境では、上司や同僚との雑談・相談の機会が減り、心理的な孤立感を抱く従業員が増える傾向があります。特に新入社員や育児・介護を両立する社員は、支援を求めづらく、メンタル不調に陥るリスクが高まります。また、自宅作業による運動不足や生活リズムの乱れが、身体面にも悪影響を及ぼすことがあります。

対策の方向性

  • 産業保健サポートの強化:リモート環境でもオンライン面談やチャット相談を整備し、定期的な健康フォローを実施。
  • 意図的な交流機会の創出:オンライン朝会や雑談会を制度化し、孤立感を防ぐ。

2. 評価の不公平感

リモート下では上司が部下の働きぶりを直接見る機会が減り、「誰がどれだけ努力しているか」が見えにくくなります。これにより、「出社している人のほうが有利」「頑張りが評価されない」といった不公平感が生じやすくなります。

対策の方向性

  • 成果主義評価への移行:労働時間ではなくKPIの達成度で評価。
  • 評価プロセスの透明化:評価理由を文書化・共有し、納得感を高める。

3. 業務の属人化

勤務時間や場所が分散すると、情報共有が滞りやすくなり、「誰かしか知らない業務」が生まれがちです。属人化が進むと、休暇や異動時に業務が止まるリスクが生じます。

対策の方向性

  • 情報共有ルールの明確化:業務進捗や決定事項はクラウド上で共有。
  • アクセス権限の整理:情報のオープン化とセキュリティのバランスを取る。

制度導入から定着までを成功させる5つのステップ

柔軟な働き方制度を「絵に描いた餅」にせず、実効性のある仕組みとして定着させるためには、次の5ステップが重要です。

ステップ1:戦略設計と法的基盤の整備

制度導入の土台を固めるフェーズです。 目的とKPIを明確にし、法的に整合性のある制度設計を行うことがポイントです。

アクション1:目的とKPIの設定

「従業員満足度向上」など抽象的な目的ではなく、「残業時間15%削減」「特定部門の離職率30%改善」など、測定可能な数値目標を設定します。

アクション2:就業規則と労使協定の整備

フレックス制は清算期間・コアタイムなどを協定で明確化し、リモートワークでは通信費・備品費負担や勤務管理を就業規則に追記します。

アクション3:セキュリティポリシーの策定

VPN接続・二要素認証の導入、私物PC利用禁止など、具体的な情報セキュリティ対策を定めます。

ステップ2:運用体制とコミュニケーションルールの設計

制度を機能させるためには、現場での運用ルールを明確にし、心理的障壁を減らす工夫が必要です。

アクション4:コアタイムと会議文化の見直し

コアタイムを短く設定し、会議は「原則オンライン」で実施。遠隔地の社員も不利にならないよう、録画・議事録共有を義務化します。

アクション5:非同期コミュニケーションの活用

メールやチャットなど、即時応答を前提としない連絡手段のルールを整備し、心理的負担を軽減します。

アクション6:労働時間管理の徹底

勤怠システムとPCログを連携し、実労働時間を客観的に把握。中抜け報告や休憩取得の明文化でサービス残業を防ぎます。

ステップ3:評価制度と公平性の担保

柔軟な働き方を継続させるには、成果重視の評価制度が不可欠です。

アクション7:成果主義評価の定着

労働時間ではなく、KPI・プロジェクト成果・チーム貢献度などで評価。
評価基準の明示と根拠の文書化で、公平性を担保します。

アクション8:代替の柔軟性を提供

現場勤務などリモートが難しい職種には、時差出勤や特別休暇など「別の形の柔軟性」を用意します。

ステップ4:管理職のトレーニングと意識改革

制度の浸透には、管理職層の理解と実践が欠かせません。

アクション9:リーダー研修の義務化

成果評価の進め方、非対面チームマネジメント、メンタル不調の早期発見などを学ぶ研修を必須化します。

アクション10:率先した実践

管理職自身がリモートやフレックスを活用し、成功事例を共有することで、「制度利用=不利益」という意識を払拭します。

ステップ5:健康管理と継続的な改善

制度を導入して終わりではなく、PDCAを回しながら改善を続けることが重要です。

アクション11:産業保健サポートのオンライン化

オンライン面談やチャット相談を通じて、リモート下でも健康相談をしやすくします。

アクション12:効果測定と匿名フィードバック

半期ごとにエンゲージメント調査を実施し、制度利用者の満足度や課題を分析。改善点を経営層にフィードバックします。

まとめ:制度の実効性を高めるために専門家と連携を

フレックスタイム制やリモートワークは、適切に設計・運用すれば、従業員満足度と生産性を同時に向上させる強力な仕組みです。ただし、労務管理・セキュリティ・評価・健康管理など、複数分野にまたがる課題を伴うため、専門家の支援が不可欠です。 特に、非対面環境でのメンタルヘルスケアや、女性の健康課題に配慮した制度設計(例:通院時間を柔軟に確保できる制度など)には、産業保健の知見が役立ちます。

もこすく相談所では、産業保健スタッフを含む専門家が、制度設計から運用、管理職研修、従業員フォローまでを包括的にサポートします。制度を「形だけ」で終わらせず、企業の成長に結びつけたい人事・総務担当者の方は、ぜひご相談ください。

この記事の要点

  • 柔軟な働き方は「離職防止」や「生産性向上」に直結する戦略施策。
  • KPIを設定し、効果を定量的に測定することで制度が形骸化しない。
  • 評価基準を成果重視に切り替え、上司には根拠の文書化を義務化。
  • クラウド情報共有と非同期コミュニケーションで時間差の壁を解消。
  • 管理職研修でマネジメントスキルを底上げし、率先して実践を促す。
  • 産業保健のオンライン化で、リモート下でも心身のケア体制を確立する。
  • 制度適用外の職種にも柔軟性を提供し、全社員の納得感を醸成する。
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